「小羊うるちゃんの冒険」part 2 拠点をみつけた !?

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  小さい白い小羊の前に、「どなたでも歓迎します」という看板を掲げている教会が現れました。小さい白い小羊は、しばらくそこに滞在することにしました。
そこには知らずに加害者と協力している長老羊と雄羊たちがいたので、小さい白い小羊は、長老羊に言いました。「一致した働きを望んでいます。誤解を解きたく手紙を書いてきました。和解に向けた話し合いに立ち会って下さい。」
長老羊は言いました。「大げさになるから、したくない。手紙は僕が預かるから、出したと思いなさい。」
雄羊たちは声を揃えて言いました。「僕たちには全く関係ない事だ。赦して忘れる事だね。」
小さい白い小羊は、すべてをご存知の大牧者に委ねてその場を去りました。

 旅の先々で「許せるように祈ってあげよう」と追い回す雌羊たちをかわしつつ、小さい白い小羊は、問題の根の深さに思いをはせました。
小さい白い小羊は、羊を救うためには命を差し出すほどに羊を愛する大牧者を知っていました。汚れの中でもがき苦しんでいた時、救いだしてくださった大牧者を。小さい白い小羊は、自分を救ってくださった大牧者のみこころを行ないたい、お役に立ちたいと願っていましたが、なかなか思うようにはいきませんでした。Image
小さい白い小羊に対する大牧者の愛は広く、長く、高く、深いものでした。経験を積み実情を知り、困難に負けない力を育むよう、大牧者は小さい白い小羊を旅に向かわせたのでしたが、小さい白い小羊は、そうとは知らず、時にかなってやってくる助けに大牧者の姿を思いつつ、大牧者を慕いつつ旅を続けていたのです。

 小さい白い小羊のところに、「ここを拠点にしてもいいよ。」と言ってくれる牧者が現われました。喜んだ小羊は、訪れた後に失望しないようにと旅することになったいきさつと信条を書いた手紙を牧者に送りました。
手紙を受け取った牧者は、牧羊たちに説教しました。「昨日、こんな厚さの封書が届きました。前に南の島から同じような厚さの封書が届いた時は、『何だろう?』と思って開けたら、50シップ(羊の国で1シップは日本円で約1万円)の献金だったので、今回もと思ったら手紙でした…。読むのも大変なので、送るのはお金にするように。」
それでも、小さい白い小羊は、その牧者は大きな牧場を任されていて、多くの教会と交流もあったので、その大きな牧場で、羊の世界についていろいろ学べると思いました。また、小さい白い小羊は居場所を持たないということで他の羊たちからの非難に悩まされることがあったので、その煩わしさからも解放されると思いました。そうして、小さい白い小羊は、その牧場を拠点にすることにしたのです。

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