「サムエルは言った。「私はどうして行けましょう。サウルが聞いたら、私を殺すでしょう。」主は仰せられた。「あなたは群れのうちから一頭の雌の子牛を取り、『主にいけにえをささげに行く。』と言え。」(Ⅰサムエル 16:2)
これは、サムエルがサウルに代わる王となる人物に遣わされる時に、言った言葉である。
サムエルの目には、サウルは「自分を否定した場合は、預言者をも殺す者」として映っていたのである。
実際、民の「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った。」という言葉を聞いて、次第にダビデを殺そうとする前から、サウルにそのような要素があることをサムエルは直感していた。
そのような者を相手に、主は真実を告げよとは言われず、あたりさわりのない部分的真実を言えと言われたのであった。
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偽りを語らず、真実を告げることは、信頼関係を築く基本である。
しかし、誰に対してもばか正直に事実を伝えればよいものでもない。
言っても逆効果の場合がある。
事実を言ったことで、相手の罪を増長させ、悔い改めの機会もなくしてしまう場合である。
主のみことばは、生きている。
場合によっては、矛盾のような言葉が語られることもある。
どのような人に対しても、主の知恵をいただきつつ、主の真実を伝えていこう。
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