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【前回までの登場人物】 うるちゃん : 主人公
へいわくん : 夫
なごみちゃん : 長女
サイエン君 : 長男
はづきさん : 友人
N師 : はづきさんを導いた女性
H牧師 : H教会の牧師
A牧師(夫人): A教会の牧師(夫人)
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前述(「小羊うるちゃん物語」part 1-1 序章)したようにへいわくんは生まれた時に昔からの流れのキリスト教での幼児洗礼を受けてはいたが、それは親の意志によるもので、当の本人はといえば、「イエス・キリスト? まあ、信じてはいるよ。ハッハッハッ。」というような状態でした。そのへいわくんが、本当の意味でイエス様にに立ち返るよう、救われてからのうるちゃんはいつも祈っていました。
さて、イエス様を受け入れてから、一日でも早く洗礼を受けたいと思っていたうるちゃんは、1ヶ月たってもまだ受洗できないでいることに、不安を覚え始めていました。H教会へ行っていた時は、洗礼に向けて準備されていたのだが、A教会では意思確認だけで学びは始められていませんでした。「聖書には、イエス様を信じて受け入れたものは誰でも、すぐにでも受洗できると、書いてあるではないか。」と単純に信じていたので、何もなく1ヶ月過ぎていったことに不安を感じていました。そのうち、「へいわくんが子供と遊べる貴重な日曜日を毎回つぶしてまで(へいわくんは、会社人間と言っていいほどで、家には寝るためと日曜日ぐらいしかいなかった)子供たちを連れて、教会へ通い続けることもないか。まあ、もうちょっと力を抜いてってことかな?」と一瞬、思いました。「まあ、次の日曜日は、家族で過ごそうかな。」という考えが頭を横切ったのは、4月28日(木)のことでした。その考えが頭を横切ったまさに数分後、教会の友人のKさんから電話があり、「洗礼式が5月29日に決まったよ。」と言われたのでした。あまりのタイミングの良さに、主は何もかも御存知で、うっかりつぶやいてしまった言葉も本当に聞いていらっしゃるのだと、びっくりしました。神なるイエス・キリストは、本当に完璧な計画を持っておられ、全てにおいて最良の時期を持っていらっしゃるのだと知りました。へいわくんを教会へ導くのも、教会から離れてしまっている友人たちを導くのも、主の計画のもとに進められるのだ、と思いました。このことがあるまでは、「どうしたら、へいわくんは救われるのか。」と自分で何とかしようという気持ちもあり、いろいろ思案していた面があったことは否定できません。この出来事により、改めて主の完璧さを実感し、また自分の非力さをも痛感したのです。
洗礼の日にちがまだ決まっていない時のこと、なかなか洗礼が受けられないことから、うるちゃんの中に、ある思いが浮かんできました。それは、「主は、へいわくんと一緒に洗礼を受けさせようとしていらっしゃるのではないか。」という思いでした。はっきりいって、その時のうるちゃんは、「自分が早く洗礼を受けられれば良いと思っていて、へいわくんのことはまたその後でなんとかなるだろう。」という気持ちでした。へいわくんはというと、うるちゃんの証しに耳を傾けはしても、「思い込みの激しい奴だな。そのうちあきてくるに違いない。」程度にしか、思っていないようで、洗礼はおろか、教会へ一歩も足を踏み入れる気はないように見えました。それでも、へいわくんと一緒に洗礼を受けるのではないかという思いが日増しに強くなってきて、当惑しました。それである日、A牧師に、「洗礼当日、へいわくんが洗礼を受けたいと、その場で言った場合、受けられるのですか?」と尋ねてみたのです。洗礼を受けているところを見て、感動でもしない限り、不可能なことのように思えたのでした。それほど、へいわくんは教会へ足を入れることを拒否していました。教会以外の他の場所での交わりや、集会は別として…。A牧師の答えは、当然のこととして、「その前に教会へ一度でも来てもらって話をしたい。」というものでした。それで、「一緒に洗礼を… というのは自分が気付いていないだけで、うるが勝手に作った思いなのかな?」と半ばあきらめ状態でした。
そんな時(5月17日~19日)、日比谷公会堂でプレ東京福音クルセードが開催されました。はづきさんの勧めで、その初日に、へいわくん・子供達と共に会場へと足を運びました。4月に市民会館で行なわれたイースターの集いへも家族で行きましたが、そこでは子供達は騒ぐこともなく、静かにしていたので、今度も大丈夫だろうと思っていました。ところが、賛美が終わり、ピーター・ワグナー氏の話が始まるやいなや、下のサイエン君(3歳)が突然、騒ぎだしたのです。前から楽しみにしていただけに、これにはがっかりしました。お菓子を与えたり、ロビーへ連れて行って遊ばせたりして、その場を切り抜けたのですが、シンディ・ジェイコブス氏の話になってのことです。話の終わりぐらいになって今度は後ろに物を投げ始めたのでした。あまりないことでした。前の方の席だったので、回りに相当な迷惑をかけているような気がして、祈りの時間になるやいなや、席を立って帰ってきてしまいました。
シンディ・ジェイコブス氏の祈りがすばらしかったとはづきさんに聞き、2日後、もう一度どうしても行きたくなりました。へいわくんに頼み込み、会社から少し早く帰ってきてもらって、子供達をみてもらって、行くことにしたのです。その日の昼頃のはづきさんからの電話で、初日の招きの時、シンディ・ジェイコブス氏が、「今日受け入れようと思った人で、まだ前に出て来ていない人がいます。男の人です…。…。…。帰られたようですね。」と言っていたということを聞いていました。時間的には、ちょうど私がへいわくんに話して一緒に帰った時間と一致していました。へいわくんが子供達をみるつもりで帰ってきた時、そのことを告げてみました。そして、子供達ははづきさんが預かってくれるので一緒に行く気はないかと尋ねてみたのです。初めは、「駅で会社の人に会ったらいやだ。(フレックスタイムを使い、正当に仕事を切り上げたのだが、普通だと就業時間中なので)」とか、「面倒だ。」とか言っていたへいわくん。こっそりと、「主イエス・キリストの御名によって、へいわくんを縛っている恐れよ。なくなれ!」と祈って、へいわくんの方を向いてみました。へいわくんの方を向いた途端、「まあ、たまには二人で出掛けてもいいかな。」と、ポツリと言ってくれたのでした。
祈りの時間に間に合うようにと祈って、会場に着くと、手招きをしているまさにその時でした。へいわくんは考える間もなく、ポンとうるちゃんに押し出された勢いで前に出て行き、後は洗礼の決意に至るまでとんとん拍子に事は進んでいったのでした。驚いているのは妻であるうるちゃんでした。本当に主に砕かれたように、へいわくんの壁がなくなり、アッというまにへいわくんは救われたのです。後で聞くとシンディ・ジェイコブス氏は壇上でへいわくんの方を見て笑いかけていたように見えたとのことでした。さも、初日の方が来ましたね、とでも言うように…。(少なくとも、へいわくんはそう感じたようです。)
あらかじめ、はづきさんが子供達を預かってくれると聞いていたならば、へいわくんは絶対に仕事を切り上げて帰ってこなかっただろうと思います。また、会場に入るのが数分早くても遅くても、へいわくんは、ゆっくりあれこれ考え、おそらく手招きには応じなかったことだと思います。主の絶妙な完璧とも言えるタイミングには、ただただ驚くばかりでした。
※ 下線部を振り返ったコメント
5月29日(日)、うるちゃんは、へいわくんと夫婦同じ時に洗礼を受けるという光栄に預かることができました。へいわくんにとっては、主を受け入れてから、わずか10日、教会へ行ってから一週間という早業でした。
Part1~3の終りに
うるちゃんがここに書いたことには、何の脚色も付け足しもしてはいません。うるちゃんが感じ、体験したことです。これを読んでくださった方で、もし、「うるに起こったこれらのことは、単なる偶然ではないか。うるは少し気が変なのではないのか。」と思われた方が、中には、いらっしゃるかもしれない。でも、「もし私たちが気が狂っているとすれば、それはただ神のためであり、もし正気であるとすれば、それはただあなたがたのためです。(Ⅱコリント 5:13)」と、聖書には書いてあるのです。
この証しを読んで、少しでもイエス様をわかっていただくことができたならば、幸いです。
愛深き主に栄光がありますように。
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【うるちゃんと教会】
☆ うるちゃんが電話をかけた「昔からの流れのキリスト教会」(part 1-3)
☆ はづきさん所属のA教会(part 1-3)
☆ 歩いて1、2分のところにあった近所のH教会(part 2-1)
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