長い苦しみと神の計画

「この地にききんがあった。それで・・・妻とふたりの息子を連れてモアブの野へ行き、そこに滞在することにした。その人の名はエリメレク・・・」(ルツ1:1-)

エリメレクとナオミ夫婦は、飢饉になったので、糧を求めてモアブの野へ逃れ、そこに滞在することにした。
土地は残したままであった。
モアブに滞在中、夫が死んでしまい、二人の息子はそれぞれモアブの女性を妻に迎えた。
異教の地の女性ではあったが、二人とも、気立てのよい嫁であった(ルツ 1:8)
モアブに住み、約10年の年月が過ぎ、二人の息子も死んでしまった時、主がご自分の民を顧みてくださったことにより、故郷の飢饉が終わったことを聞いた。
そこで、ナオミは二人の嫁たちと一緒に故郷ベツレヘムへ帰ることにした。
聖書で10は完全数を表している。

帰途への道中で、ベツレヘムに帰ってからの異教徒への差別などを思いやったのか、ナオミは、別れを惜しみながらも、二人の嫁にそれぞれ、モアブの実家に帰って再婚するようにと勧めた。
弟嫁は、泣きながらその申し出に従って、帰っていったが、兄嫁のルツは、「あなたの神は私の神です・・・」(ルツ 1:16)と言って、堅い決心のもと、ナオミと一緒に行くと言って引き下がらなかった。
ルツは、ナオミたちと暮らす中で、ともにおられる神を見い出していたのである。
ここにルツの信仰が見られる。

ナオミは夫や息子と死に別れるといった苦難の10年を通ったが、それは産みの苦しみであった。
この後、異教徒モアブ人のルツと、カナン人の遊女ラハブ(約束の地カナンに偵察にきた二人の斥候を信仰によって(ヘブル11:31)かくまった遊女)を母に持つボアズが出会い、イエスの系図に名を連ね、神の計画が成っていくのである。
本人たちは、信仰によって生きたに過ぎなかっただろうが、そこに神の偉大な計画があった。

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主を信じた上での長い長い苦難は、主に見捨てられたかのように感じるかもしれない。
ナオミのように、「主は私を卑しくし、全能者が私をつらいめに会わせられましたのに。」(ルツ1:21)とつぶやきたくなるかもしれない。
大事なものを失い、空の器になるまでへりくだりを学ばされ、それでも主を信じる道を歩んでいくとき、思いがけない主のみわざが成っていく。
死で終わることのない永遠の祝福の道へと導かれる。

苦しみの中、あなたは何を学ぶだろうか。

関連メッセージ:『ナオミの苦難-神の偉大な計画-』

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