「ルツは言った。『あなたを捨て、あなたから別れて帰るように、私にしむけないでください。あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。』(ルツ 1:16)
士師記の時代、ユダのベツレヘムの地にききんがあったため、エリメレクという人が妻ナオミとふたりの息子を連れ、モアブの野に滞在することにした。
滞在中にエリメレクは死んで、ふたりの息子は、モアブの女を妻に迎えた。嫁の名はオルパとルツであった。
約十年間が過ぎ、ふたりの息子もまた死んでしまった。
ユダの地のききんが終わったことを聞き、ナオミは嫁を連れてユダに戻ることにした。
しかし、帰途、ナオミは不安になり、オルパとルツに別れを切り出す。
戻った後の暮らしもどうなるかわからない状況で、モアブの女である嫁の困難を考えると、故郷で再婚したほうが、幸せになれると考えたためであった。
ナオミの苦汁の決断であった。
オルパは、泣く泣く故障へ帰って行ったが、ルツはナオミにすがりつき、一緒に連れて行って下さいと懇願した。
ルツの決意が固いことを見て取ったナオミは、ルツとともにベツレヘムへ戻った。
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ルツはナオミの中に、モアブでは得られない神への信仰を見ていた。「あなたの神は私の神です」と。
その神は、欲を満たすだけのご利益信仰の神ではなく、困難の中にもともにおられ、不思議なことをなしてくださる神、平安を与えて下さる人格を持った神として、ルツに映っていた。
それは、ナオミを通して伝わってきた。
この神から離れたくない、ルツはそう思った。
夫とふたりの息子の死という苦しみを通っても、神は愛であると、ルツには伝わってきたのであった。
その愛を信じ、ルツはどんなことがあってもナオミとともに乗り越えようと覚悟をもって、ナオミにすがりついた。
へりくだった心ですがりつくルツの姿に、ナオミは平安を得たことだろう。どんな困難もルツは耐えて、ともに乗り越えてくれるだろうと。
もうイヤだ、と思えるような困難も、へりくだり、信仰をもって主にすがりつくなら、困難は祝福へと変えられる。
主を信じる覚悟をもって、従って行こう。
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